アメリカ大統領に就任したトランプ氏は、初めての外遊先にイスラエルを選んだ。選挙運動中に「イスラエルのアメリカ大使館をエルサレムに移す」と言って物議をかもした人である。
アメリカがイスラエルを重視すると、それだけイスラエル政府を勇気づけ、ユダヤ人口を増やす「ユダヤ化」政策によって、パレスチナ人の住むヨルダン川西岸地区にどんどんユダヤ人の入植者が増え、その結果、パレスチナ人の土地や建物が奪われるだけでなく、パレスチナ人の住むエリアを囲うように作られた「分離壁」によって、パレスチナ人の生活は極度にひっ迫している。
パレスチナ人は、これまで生活に使っていた道路が通れなくなったことで出勤、通学、通院などの移動も困難になり、柵を乗り越えようとして逮捕されたり、兵士から銃撃されたりもしているのだ。
ジャーナリストで、放送大学でパレスチナ難民問題を教えている高橋真樹氏の「ぼくの村は壁で囲まれた」を読んで、しみじみと日本に暮らす平和をありがたいと感じている。
といっても、日本でも、沖縄には米軍基地があって、今でも過重な負担が背負わされているし、原発事故後、自分の土地に戻れない福島の人々がいる。
そんな人たちの痛みを忘れてはならないと肝に銘じている。
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