家庭裁判所の当事者の待合室には、絵本や雑誌等が常備され、待っている人が自由に読めるようになっている。
子ども向けの絵本は、「おうちがふたつ(クレール・マジュレル著)」とか、「パパどこにいるの?(ベス・ゴフ著)」とか、両親が離婚協議中の子どもの立場を考えているものが多い。
「お父さんとお母さんは、喧嘩して別れることになっても、君たちのお父さん、お母さんであることに変わりはないし、お父さん、お母さんは離れていても、いつでも君たちのことを思っているよ」とか、「お父さん、お母さんが別々のお家に住むことになっても、君たちにとっては、どちらも君たちのお家だよ」等、子どもたちを元気づけるようなメッセージが盛り込まれている。
よく、子どものために離婚しないで我慢しているという声を聞く。特に女性に多い。
確かに、両親の離婚は、子どもにとっても大きな不幸に違いない。しかし、「子どものため」、「子どものため」と我慢して鬱状態になったり、あるいは、いがみ合って大声で争う、または、同じ家に住んでいても長年口もきかない、という状態は、子どもにとって好ましいものではない。
それよりは、離婚を決断して、心機一転明るい気持ちで子どもに接した方が、子どもにとっても良い場合がある。むしろ、その方が良い場合を、私は、多く見ている。
そして、離婚後も、子どもとの面会がうまくいくことが理想だ。
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